AT仙人訪問記

以前に他の処にも書いたレポートです日付などはそのままですが一部追加してます

ミッションがそろそろ心配なW124乗りの皆さん こんにちは
巷で噂の「AT仙人」の所へ行ってきましたその時のお話です


時は1999年です(^^)

最高速号(300E−24)も8年8万kmを過ぎそろそろミッションが心配になりました
3年前ヤナセでATF&フィルターを交換しましたがその後点検もしていません

どうせATオイル交換するならオーバーホールも考慮しようと思い「AT仙人」に
話を聞くため電話をいれました (メルセデス・ベンツマガジンなどでも紹介されています)

電話で経歴、病状(別に悪いところ無し)を聞いてもらい土曜日に訪ねました
電話で聞いた事務所(横浜市都築区)を尋ねました一見普通のマンションです

でも機械や部品がそこらじゅう転がっていて怪しい雰囲気をただよわせます(笑)
クラッシックカメラや古い時計も沢山あります どういう訳かこういうものが好きですね

コーヒーを飲みながら車の経歴、整備状態、走る状況、運転の話などをします

次に仙人からATFの話 たっぷりと聞かされます
古いオイルの見本、クラッチ板、メタル、フィルターなど見せながら
いかにオイル管理が大事か 力説します(これが面白い)
その間にも相談の電話がかかってきます 忙しそうです

さてその後(ここまで約1時間)試乗、無料ATF点検です(^^)



仙: 「自分では運転しない 人の管理した車なんぞ恐くて走れない」
   助手席で分かる どのくらい車に気を遣ってるのかATがどんな状態かも」

緊張しながらも普段の運転で仙人の指示で町内を10分ぐらい走ります

仙: 「うん 車の状態は良いね」 うれしいこと言ってくれます

駐車してボンネットを開けますエンジン音をチェックしてATFの量を見ます

仙: 「まず平らな処、ゲージの裏表でしっかり確認」
   「温まっているときはこの上のライン 上過ぎてもいけないし下過ぎても駄目」

次にスポイトでオイルを抜きます

仙: 「新しいオイルは赤いこれは焼けている高速道路飛ばしているんだろう」

むむむ 鋭い指摘です(まあ最高速テストもあったし) で外での点検は終了
また事務所に上がります ちょうど先程の電話の人がきます
W140の500SELです抜いたオイルを自作の遠心分離機にかけ点検します

仙: 「ほら この先に着いているのがスラッジ、クラッチのくずだよ」

確かに金属の粉のようなのが試験管の先にあります

仙: 「これがだんだん多くなってバルブを詰まらせてしまう」
 「基本的に1万km毎に交換3万kmでフィルター交換5万kmでオーバーホール」

う〜ん これはお金がかかります(汗)

仙: 「ベンツに乗るということは趣味贅沢お金がかかるのはしょうがない
   それがいやなら国産の軽でも乗れば良い 街乗りならこれが一番」

仙: 「昔なら家が買える値段だったのだから本当にお金持ちの車だった
   やはりC200がでてからベンツは変わったW123までが本当のベンツかな」

長年(40年以上だそうです)やっている人の意見です

仙: 「女性と同じ面倒みてやればきちんと答えてくれるしほったらかしだとふてくされる」

えへへへ(^^;

そうこうしているうちに二人連れがきました 今度は190Eです
まだまだ話は続きます

仙: 「工場のリフトで下回り点検するとどうしても色々なところに目がいく
   つい他のところも交換してしまうんだよ」

と言いながらディスクジョイントを見せてくれます
ちょうど190用、300E前・後期 そろっています 見比べます参考になりました

W201 190Eフロント側 W124 壊れている

独特の三日月型をしたW201用フロント側のディスクジョイント
W124のディスクジョイント未交換だとこのように割れていきます

今度は部品棚から「W140のATフィルター」を見せてくれます


仙: 「こんなにも凝った造りをしている」

確かに前後にスライドする窓があります W124用とは異なっています

仙: 「これは坂道で前下がりになった時 後が開いてからオイルを入れるし
   後ろ下がりに止まった時には前が開いてオイルを吸い込ませる」

う〜う 恐るべきW140!

ATフィルター フィルター後方の穴

仙: 「だからオイル量は大事少ないと空気が入ってすぐ駄目になってしまう」
   「駐車場が斜めになっているとクルマはそれだけで痛む大事になさい」

さっき言った平らな所に止める必要性です

3万5千kmしか走っていないW140試運転に行きます
その後 例の190Eも試運転にいきます
その間新たなお客さんがきます なぜか自分が相手します(笑)

仙: 「若い人は運転が荒い あれではすぐ駄目になってしまう」
   「アクセルをあけシフトアップするときにはペダル戻さなくても平らにすべき」

う〜む これはすごい心がけよう(^^)



で結局どうなったかというと

「今工場が大変混んでいる 六月になったら少しは空くから予定をいれよう
六月になったら電話下さい 一応今すぐどうこうといった状況ではないから」

ということになりました(^^)続く・・・ さてどうなったでしょうか



追加です 取り説からの抜粋です

ATスティック頭 ATスティック

点検は車両を平坦なところに停め、シフトレバーは「P」し
エンジンはアイドリングさせ必ず温まった状態で点検します

まずディップスティックが奥まで差し込まれていることを確認します
ロックを外しディップスティックを引き抜き、オイル量を点検します

この時、絶対に埃などの異物が入らないように注意して下さい
レベルゲージの拭き取りも、ケバ立ちのない布またはセーム皮を使用

レベルゲージの上下限マークは、油温が約80度Cの時に有効です
例えば油温が20〜30度Cの時は、オイル量が適切であっても
レベルゲージの下限10mmほど下を示します

絶対にオイルを入れ過ぎないように注意して下さい

点検は、ディップスティックを奥まで差し込み、完全にロックして終了です

ATスティック頭 ATスティック下

頭のレバーを曲げるとロックが解除されます

最近(2012年)オイル温度管理の意識が高いです温度計で管理している人が増えました

そういう方々の報告を見ますとATFの油温が80℃になるのは高速で走った後ぐらいです
そうするとエンジンをかけてすぐぐらいだとレベルゲージの下ぐらいで良いかと思います



ATのお話・オーバーホール料金・四方山話などはこちらでどうぞ

「ATオーバーホールの価格」 からです


プロフェッショナル訪問記その2は
「群馬のカリスマ整備士訪問記」 です



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