漏れを止めるについて

1:オイルシールの考察

「コの字シール交換」で苦労したオイルシールを考えてみました
ついでに色々と漏れを止めるを考察してみました

アッパータイミングチェーンカバー オイルシールの例

苦労した「コの字シール作業」での「オイルシール」です

オイルシールの構造 使われ方の例

構造的にはこのようになっています二重になっている部分を「リップ部」といいます
普通その間に「スプリング」が入っていて形を整えています

追加です:シールばねの役目

「常に安定した緊迫力を保持すると共に熱による
リップ内径寸法の変化を防止する働きをしている」




−−オイルシールのマニュアルより引用−−

オイルシールとは『オイル(油)』を『シール(封じる)』するという意味です

機械製品に使用される潤滑油をはじめ、水、薬液、ガスなどが機械のすきまから
漏れるのを防ぐと同時に外部からほこりや土砂が侵入するのを防ぐ働きをしてます

オイルシールは、単体あるいはアッセンブリーで取り外した場合でも
必ず新品に交換しなければならない

シールのリップ部は、取付時に損傷を与える可能性のある部分から保護しておく
可能であれば、ビニールテープなどを巻き付けること

特に指示がなければ、シール類は、リップ部をシールされる潤滑油等の側に向けて
取り付けること とあります参考にして下さい

2:シール(パッキン)について

シール(seal)といえば、密封装置をさす言葉です

『パッキン』(packing) は、その中でも運動用に使用されるシールのこと
それに対して、静止用は、 『ガスケット(gasket)』 と呼んでいます

これらが使用される共通の役目は、お互いに接する構成部材の間に装着して、
構成部材の間からの漏れを防止する役割と、外部からの異物の侵入を防止する
役割を持ち各システムを安定稼動させることです ( 工業用サイトからの引用です

コの字シールorコの字パッキン?

ATリペアキット コの字シール

「パワステリペアキット」です パッキンも当然入っています
これはコの字シールでしょうかコの字パッキンでしょうか? 

最高速号(300E−24)直六気筒

タペットカバーパッキン 図解

タペットカバーパッキンです(凸部にパッキンの凹部を嵌め込んでいきます)
図解してみました このような感じで圧着されていてオイルが漏れません

ゴムが硬くなってきたり変形しだすとオイルが漏れてきます
また締め付けトルクを守らずに(普通8〜10Nm)強く締め付けると
凹が割れてオイルが漏れてしまいます(プリセットトルクレンチを使いましょう)


ガスケット

ばらしオフの写真です

ヘッドシリンダー ヘッドガスケット

「ガスケット」とは
「エンジン上部(シリンダーヘッド)」と「エンジン下部(シリンダーブロック)」をつなぎ
合わせるための薄い板です最近は耐熱耐圧性に優れたメタル製が主流になってます


3:O(オー)リング

Oオーリング(環)で普通はゴムでできたワッカです 特徴としては
●広範囲の圧力に使用できます●種類が豊富●シールは低価格です

−−工業用サイトからの引用です−−

オーリングを溝に装着し、約8〜30%の圧縮(つぶししろ)を与え
低圧の場合はオーリング自体の弾性によって、セルフシールすることができます
密封流体の圧力が増加してくるとオーリングはその圧力によって溝の片側に押し
付けられO形が変形しD形になることで接面圧力が増加しシールすることができます
原理的にはゴムが破壊されるまでシールすることが可能です とあります

実際に整備して思うのは、触らなければ漏れないが(十年以上頑張っている)
一旦外すと漏れだす(^^;やはり 新品を用意しましょうです

W124に使われているオーリング例

サーモスタット新旧 レベルセンサー

サーモスタットです交換の時には必ず交換しましょう(付属されています)
リザーブタンク内で冷却水が漏れないようにオーリングが使われてます

こんなところにもあんなところにも

新旧比較拡大 オイルエレメント
 
kozaruさんから送ってもらったエンジンハンガーホースのオーリングです
  「エンジンハンガーのヒーターホースの交換作業編」 からの引用です

右側はオイルエレメント交換時の写真です オーリングが使われています
ですので、 締め付けトルクは20〜25Nmです(強く締めると変形します)


4:ドレンパッキン(銅ワッシャー)

ワッシャー(シールリング)についてです 一般的な銅ワッシャーのお話です

ドレンボルト&銅ワッシャー 新旧比較
 
オイルドレンボルトに使われている銅ワッシャーです必ず新品にしましょう 
新旧比較写真です 旧の方はつぶれていて大きく見えます

銅パッキンですがこちらは燃料関係です

燃料フィルター 燃料ポンプ

燃料フィルターです 圧力がかかる燃料系に沢山使われています
柔らかい銅が潰れて密着されるからです 工業用では真空密着となっています

締め付けトルクは25Nm(オイルドレンボルト)から30Nmぐらいまでです
銅が潰れる前のトルクです(慣れるとトルクレンチがなくても感覚で分かります)

スパークプラグ

点火プラグ ワッシャーの方向性
 
点火プラグです ここにもワッシャー(ガスケット)が使われています
ボルトとワッシャーの取り付け方向です普通ワッシャーには裏表があります



5:かしめ

かしめ加工とは
パイプの任意の点に溶接しないで(塑性加工で)取り付ける加工法です
この加工法は、底付け加工、フランジ付け加工に似ていますが
大きな強度を必要とする場合に用います

ステンメッシュブレーキホースです

ステンメッシュ リヤキャリパー

ブレーキのブリーダプラグ(エアブリーダ)ですネジが全部入っていないのが
特徴です (本来のかしめとは違いますが便利上つかわさせてもらいました)


テーパー

W124のホイルボルトはテーパーになっています

ホイルボルト ボルト図解

締め付けると最後にボルトが延びて点接触から面接触になります
決してボルトのネジで止まっているのではありません

ネジ部分にグリスを塗って正確なトルク管理ができるようにしておきましょう



ねじが固定される原理は簡単にいえばねじ山の面の抵抗分によるものです
常に引っ張られて雄ネジの山が雌ネジの谷に密着してその威力を発揮します

ねじ山にグリスを塗ってしまうと緩むと思うでしょうが
抵抗なく締め付けるためには塗った方が良いのです

ねじ山が汚れているもの 錆の発生しているもの 異物があるものなどを
そのまま使ってトルクレンチで締めても正確に締め付ける事は出来ません

例えば石を噛んで締めて走っているうちに石が外れたらボルトは緩んでしまいます

普段の締め付け方は 弾性域締め付けと言います
ボルトは座面で押される力をネジ山同士の摩擦で抑えているのです

対してもう一方の締め付け方は 塑性域締め付けと言って
ボルトが締付力によって伸びても戻らない域で使う状態を言います

勿論塑性域締め付けで使用されたものは再利用してはいけません

ボルトはギリギリまで締め込んだ方が安定した締め込みトルクを得られるそうです

その考えに基づいて行われているのが 塑性域締め付けという方法です
ボルトの伸びが出てくる所まで締め込んでロックする方法で
一度締め込んだら変形してしまうので再利用出来ません

(ヘッドシリンダーボルトは塑性域角度締め付けといいます)

ヘインズのマニュアルによるとW124の場合はシリンダーヘッドボルトの
長さを測りヘッド下の長さが最大限度値より大きければ交換とありました

予算があれば(ヘッドボルトは高価ですそれが14本要ります) 新品にすべきでしょう
自分の時は   『最高速号ヘッドガスケット交換』 そのまま再使用しました(^^;



「漏れを止めたら」次は塞ぐ(シーリング)です

「W124のシールリングのお話」




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