クルマに関する単位のお話
A:馬力(ps)とトルク(kg・m)の話
馬力(仕事率の単位)も最近は
KW
を使いますがまだまだ
PS
の方が一般的です
1ps=0.738kw 1.355ps=1kw
分かっているようで分からないのが
トルク(kg・m)です
「トルクの大きい車の方が低速で力がある」などと言いますが
その「力」とはなんなんでしょうか
トルク:
回転させようとする力をいう
1kgの物体を1m棒の先に付け持ち上げる事の回転力を
「1kg・m」という
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A:トルク |
B:ピストンとコンロッド |
回転をチカラで表します
A図:
1mの棒を力一杯ひねったら1kgを指したとしますこれが1kg・mです
逆にいえば1kgの錘(黄色い四角)を下がらないように固定する力
(赤い矢印の所)が1kg・mです (ですからひねるチカラ=トルクですね)
B図:
エンジンはピストンにコンロッドが繋がっています(もっと複雑ですが)
それがクランクシャフトに繋がっています
ピストンが一往復すればクランクシャフトが一回転します(吸入、圧縮、爆発、排気)
エンジンの出力は回転する力によって外部に出ます これがエンジンのトルクです
B図のピストンは4個あります これは4気筒です(^^) 6個あれば6気筒ですね
4サイクルエンジンは 吸入、圧縮、爆発、排気を繰り返します
1個だけだとものすごい抵抗ですが4個のピストンが互い違いに動けば
(クランクシャフトに注目)
1個のピストンが2回転につき1回の爆発しか起こさないのがお互いに助けあって
滑らかに動きます
(6個あればもっと滑らかに動きます12個あればもっともっとです)
馬力:一定時間に行われる仕事量(仕事率)の合計
A図でいえば75kgの錘を1秒で1m持ち上げた仕事率を「1馬力」といいます
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A:1馬力 |
B:12気筒 |
A図で75kgの錘(質量)を1秒で1m持ち上げた力 と
答えるのは×です
馬力は仕事率ですから「すずたかさん」が75kgの錘を持ち上げた力の大きさ
kgf(キログラム重)であって75kgではありません(力の大きさと質量の違い)
B図のピストン(4サイクル12気筒エンジン)の場合で考えますと
1個のピストンで発生されるトルクを時間(普通1分間)と爆発数を掛けて
12倍(ピストンが12個)したのを仕事量の単位で表したのが馬力です
ですから上の4気筒のエンジンと下の12気筒のエンジンが同じ馬力という
こともあります(12気筒のトルクが1/3で同じ回転数ならそうなりますね)
一応計算してみましょう
A:
4気筒エンジンで1分間6000回転で最高馬力を発揮します
一つのピストンが8kgf・mを発揮します(回転数は無視します)
クランクシャフトは1分間で6000回転します ピストンの爆発回数は1/2で
3000回爆発します 4気筒ですから合計4×3000=
12000回爆発します
これにトルクをかけて8×12000=
96000(単位は何でもよい)一応psとします
B:
12気筒エンジンで同じ馬力を発揮するなら12×3000(1気筒当りの爆発回数)
36000回爆発
しますので ○×36000=
96000(4気筒エンジンと同じ馬力)
○=2.6666 2.67kgf・m(トルク)になります8÷2.66=0.333
約1/3です
なにが違うかと言えば12気筒の方が
加速時に滑らかだとなります (^^)
では具体的にW124を登場させましょう
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300E−24 |
E320 |
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排気量
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ボア
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圧縮比
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馬力
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トルク
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300E-24
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2960
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88.5×80.2
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10.0
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225/6400
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27.6/4600
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E320
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3199
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89.9×84.0
|
10.0
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225/5500
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32.3/3750
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単位
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cc
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mm
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cm3/cm3
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ps/rpm
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kgm/rpm
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同じ225馬力(ps)ですが最大馬力発生回転数が違うのが分かります
同じくトルクも最大発生回転数も違うしトルクも違いますね
これがドライバビリティにどう影響するのでしょうか
最大発生回転数
ゆっくりエンジンが回っているいる時より回転が速い方がトルクが上昇していきますが
一定以上になると抵抗が増えてきてそれ以上増えなくなるこの回転数をいいます
(rpm=1分間あたりの回転数)
revolution per minute
100km/h走行時
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300E−24 |
320E |
まあ条件が違いますが100km/h(これも重要な単位です)の
回転数は2900rpm位で同じようなものでしょう
ではこれを最高速度まで走ってみますと 多分同じでしょう
普通CD値が0.27ぐらいだと220km/h以上は馬力勝負と言われています
ですから同じボディで同じ馬力なら最高速度は変わらないと思います
0〜400m発進
(データはありません(見つかりません)が予想では)
スタートでE320がダッシュ!その差はひらくが4千回転を越えると差が縮まる
が、「3rd」にシフトアップした瞬間にまた差が開く またすぐ差が縮まるが
すぐ「4rd」(Dドライブ)に入る 差が開いたままゴー〜ル かな(笑)
(400m通過スピードは170km/hぐらい)
(ちなみにC55AMGで13.557秒 C43AMGは14.058秒 E500は?)
フィーリングとしては「E320はドンッとくる加速感とトルク感」
「300E−24は高回転でグ〜ンと延びる快感かな」
これらはエンジン性能というよりはトルク発生時のフィーリングによるのでしょう
おまけ
E280
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300E
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E400
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E500
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300Dターボ
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1044
|
103
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1195
|
119
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603
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DOHC6気筒
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SOHC6気筒
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V型8気筒
|
V型8気筒
|
SOHC6気筒
|
2799
|
2960
|
4195
|
4973
|
2996
|
89.9×73.5
|
88.5×80.2
|
92.0×78.9
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96.5×85.0
|
87.0×84.0
|
10.0
|
9.2
|
11.0
|
10.0
|
22.0
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200/5500
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185/5700
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285/5700
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325/5600
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150/4600
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28.2/3750
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26.5/4400
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42.0/3900
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49.0/3900
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27.8/2400
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じっくり比べると大変面白いです
これを見るといかにディーゼル(300D)が高圧縮ショートストロークかが分かります
ですから最大トルクが低回転(2400rpm)で出ています ディーゼルが加速が良い
と言われている訳です(でも馬力がないので頭打ちになってしまうのも理解できます)
ターボ付きなので馬力にそれほど差がありませんが無しだともっと馬力に差がでます
この辺のエンジン特性については他のページで話します
次はその2距離空気圧など
「クルマに関する単位のお話その2」